NOI

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不動産投資の基礎となる「利回りの考え方」の1つ

一般的に賃貸不動産へ投資する投資家が考慮する指標として表面利回り(グロス利回り)がよく使われ、これは全ての部屋が常に埋まった場合の賃料収入を建物の価格で除したものです。
ですが、プロは賃貸物件の収益性を測る際に、営業純利益(NOI)を重視して利用します。
成功のカギは、NOI利回りという指標を用いて、その建物あるいは部屋が持っている真の収益力を把握し、見合った価額で取得できるかが重大ポイント、かつ絶対の条件です。

NOI利回りの考え方と算出方法

NOIは略語で、日本語の「正価・経営上の・収入」の英語表記の頭文字を一つずつ取って付けられた、不動産投資に関する指標の一つです。
従来、一般的には上場のREIT(不動産投資信託)などに投資する際の判断指標として認識されていました。

しかし、近年の低金利下でサラリーマンでも金融機関の不動産ローンを利用して賃貸不動産を購入する方が増加しています。
そのため、広くこのNOIが認知され、注目を集めるようになったのです。
NOIを簡単に言えば、借入金で賃貸不動産を購入後、その不動産の運用で発生するキャッシュフローのことです。

REITでは半年あるいは1年おきに決算が行われますが、その際不動産の賃料収入からその管理費用、固定資産税等のコストを除く純収益を言います。
NOIの計算において、キャッシュの支出に関連のない減価償却費、金融に関連する借入金の支払利子、収益に課税される税金、資産価値維持のための資本的支出は除かれます。
さらに実際の収入ということで仮に対象が賃貸マンションだった場合、空室があればその間の受け取れたであろう収入は含まれていないことになります。
つまりNOIはその期間に純粋にその資産が事業として生み出す純粋な収益力といったところでしょう。

事例でみるNOIの計算

REATの決算では過去の実績を計算する訳ですから、空室の予想も経費の予想も必要ではなく、あくまでも実績数値によります。
しかし、これから投資するかどうかを決める判断をする場合、ある程度の予想を立てないといけませんので、物件の選別眼を持つと同時に計算ができていなくてはいけません。

仮に、ある物件(賃貸マンション1室)があり、価格は1,000万円で、空室期間が無いとして月々家賃が5万円だとします。
年の家賃収入は、5万円×12か月=60万円で、このマンションの利回りは、60万円÷1,000万円=6%です。
これが、世の中でよく使われる表面利回りと言われる数字です。
不動産投資のプロたちが使うNOIの計算例を見ます。
マンション価額は1,000万円でも、購入の時には、このほかに消費税、取得税、ケースにより仲介手数料等の関連する各種のコストが必要です。

さらに、建物・部屋を貸す際は、維持・管理する経常的なさまざまのコストが必要です。
保有にかかる税金、共有スペースの維持修理コスト、保険料など思いの他こまごまと日常の費用が発生するのです。
この管理コストが年に20万円、取得諸費用が100万円と見積もられれば、NOIは40万円÷1,100万円=3.6%と算出されるのです。