FFO

SLtou7uK

REATの収益力を示す数値

この指数はリート価格の高低レベルとして売買の判断基準の一つとして使われ、英語の「Funds(資金) From Operation(運営)」の頭文字を取って付けられたものです。
リートのネットの純収益に減価償却費を加算し不動産売買損益を除外して計算されます。
リートが投資している不動産の運用で得られるキャッシュフローの内で、いくらが投資家に分配できる額かを示す数値です。

似た概念に株式の投資の尺度としてPERがあり、この値で投資先企業を評価します。
このPERは株価収益率で、算出にはまず、株主に分配できる利益を企業の株式数で除して1株に相当する利益額を算出します。
算出された1株に相当する利益額に対し、現在、株がその何倍の価額で取引されているかを示すのがPERです。
PERの高低でその企業の株式が高いか割安かの一つの目安にしようというのです。

株のPER算出法とリートのFFO

例えば、1株当たり利益が50円で現在の株価が1,000円の場合、PERは20倍と計算されます。
将来の企業の見込みで株は変われたり売られたりしますので、PERで全てが判断できるわけではありませんが、他の企業と比較する場合の一つの参考指標と位置付けられます。

PERが高ければ高く買われすぎの可能性があり、逆に低ければ買われすぎというより割安ではないかというように考えるのです。
これと同様に、REITを評価するに当たり、FFOをその売買価格で除した数値が指標とされるのです。
株式の場合は見込みが大きなウェイトを占めるためPERで判断しがたい面がありますが、リートはどれも不動産を投資対象にしており、不動産の収益性は、不安定ではありません。

ですので、株式に比較すると各リート間の収益性の差異は小さく、リートのFFO倍率の数値は、収益性の違いを考えずに比較していいものと考えられます。

リートファンドのFFO算出方法と具体例

リートファンドのFFOの算出に当たっては、そのファンドの最終利益から資産売却による損益を除外し、減価償却費を加算します。
その数値を投資口数で除することにより、1口当たりFFOが算出できます。
リートファンドの現在値を1口あたりのFFOで除すれば収益力の何倍まで買われているかが分かるのです。

これをFFO倍率といい、この値が小さい方が、ファンドの収益力に比して、現在の価格が割安であると言われます。
例として、日本で最初に上場した、J-リートの中で時価総額が最大である、三井不動産がスポンサーをしているオフィスビル特化型のリート「日本ビルファンド投資法人」に注目してみます。
このリートの平成28年12月末決算時点の1口当たりFFOは14,619円と公表されています。

平成29年5月26日時点の口当たりの価格は、609,000円なので、FFO倍率は41.7倍と計算されます。
この数値を他の銘柄と比較してどちらが割安であるかの参考とするのです。
ちなみに、株で使われるPBRに相当するリートでの指標をNAV倍率といい、NAV(Net Asset Value(純資産価値)の略語)の何倍まで買われているかを示す指標も参考にされています。